
UXの5段階モデルとは?5つの構成や実践すべき理由を解説!
「UXの5段階モデルって何だろう?」
「UXの5段階モデルはなぜ活用すべきなのだろう?」
近年、Webサイトやアプリの設計、そして顧客満足度の高い商品やサービスの提供において、優れたUXの設計がますます重要視されています。
特に、UXの5段階モデルは、効果的なUXデザインを実現するために役立つフレームワークとして注目されています。
しかし、このモデルの全体像や各段階の具体的な内容を理解せずに施策を進めてしまうと、期待した効果を得られないリスクが高まります。
そこでこの記事では、UXの5段階モデルの構成要素や、それぞれの段階で実践すべきポイントを詳しく解説し、このモデルを活用することで得られるメリットについても説明します。
目次
1.UXの5段階モデルとは?
UXの5段階モデルとは、UX(User Experience)の要素を5段階に分類したものです。
そもそもUXとは、User Experience(ユーザー体験)のことを指し、ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験のことを意味します。
UXの概念は表層的な部分から深層的な部分まで幅広く、例えばショッピングサイトであれば「カートに入れた商品が何なのかがわかりやすい」「サイト自体のデザインがシンプルでわかりやすくスマートで使いやすい」「決済の方法がわかりやすい」「アフターサポートがしっかりしている」など顧客体験すべてがUXに含まれます。
UXについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
UI/UXデザインとは?違いやポイントを未経験でもわかりやすく解説!
5つの要素を段階的に進めていくことで、プロジェクトを効率的に進めていくことができるなど、多くの利点があります。
構成要素は以下の5つです。
- 戦略
- 要件
- 構造
- 骨格
- 表層
(1)戦略|ユーザーニーズや目的設定
戦略段階は、プロジェクト全体の土台となる重要な段階です。ユーザーのニーズを調査した上で、プロジェクトの方針を定め、明確なゴールを定めることが目的です。
また戦略段階では、「なぜ、誰のためにプロジェクトを進めていくのか」を明確にする必要があります。
プロジェクトのビジョンを明確にし、それを実現するための戦略を設計します。
具体的には、プロジェクトの目的と目標の設定やユーザーリサーチの実施、ペルソナの作成、競合分析などが行われます。
その際、ユーザーの行動パターンやニーズ、ペインポイントを深く理解することが重要になります。
(2)要件|コンテンツ要件や機能要件の定義
要件段階は、プロジェクトで提供するべきコンテンツや機能を具体的に定義します。
ユーザーの期待に応えつつ、無駄を省き、最適なユーザー体験を実現するための基盤を作ることが目的です。
コンテンツ要件や機能要件を定義することで、開発の効率化や品質向上にもつながります。
具体的には、プロジェクトの目的に基づいて、検索バーや購入ボタンなどの機能要件と、商品の写真や説明文などのコンテンツ要件を定義します。
また、ユーザーリサーチや競合分析を行い、ユーザーの行動やニーズを把握し、要件を設定します。
(3)構造|情報設計
構造段階は、ユーザーが直感的に目的を達成できるよう、情報を整理し、全体の流れを設計する重要な段階です。
ユーザーが迷わずスムーズに目的にたどり着ける構造を作ることで、利便性を高め、満足度を向上させることが目的です。
特に、ユーザーの動線を最適化し、検索機能から商品詳細ページ、購入手続きへとスムーズに移動できる流れを設計します。
具体的には、サイトマップを作成し、情報の階層やリンク関係を整理します。
これにより、直感的に操作できるナビゲーションを実現し、ユーザーが迷わず目的を達成できる構造を構築します。
(4)骨格|レイアウトデザイン
骨格段階は、設計の具体化を進める重要な段階です。
構造段階で定めた情報の配置や動線をもとに、ユーザーが直観的でスムーズに操作できるページレイアウトを設計することが目的です。
使いやすさや視認性を考慮しながら、適切な情報の配置を行い、ユーザビリティや効率性の向上を図ります。
具体的には、検索バーを画面上部に配置する、購入ボタンを目立つ位置に設置するなど、機能ごとの適切な配置を検討します。
さらに、ワイヤーフレームを基にユーザビリティテストを実施し、実際の使用感を確認しながらレイアウトの最適化を行います。
(5)表層|ビジュアルデザイン
表層段階は、デザインの最終調整を行う重要な段階です。
色、フォント、画像、アニメーションなどの視覚要素を取り入れ、魅力的で使いやすいデザインを完成させることが目的です。
また表層段階では、デザインの美しさを高めるだけでなく、ユーザーに好印象を与え、ブランド価値を向上させることが重要です。
さらに、視覚的な要素を活用して、ユーザーの操作を直感的にし、利便性を向上させることも目指します。
具体的には、ブランドカラーに基づいて購入ボタンの色やサイズを調整し、視認性を向上させたり、フォントやアイコンを統一することでデザインに一貫性を持たせたりするなど、ユーザーにわかりやすいインターフェースを提供します。
2.UXの5段階モデルを活用するべき理由
ここでは、UXの5段階モデルをなぜ活用すべきなのかを3つ解説します。
- 計画的にプロジェクトを進めることができる
- ミスや修正を最小限に抑えることができる
- チーム内のコミュニケーションを円滑にする
(1)計画的にプロジェクトを進めることができる
このモデルを導入することで、チーム内で合意形成が図られ、一貫性を持って作業を進めることが可能になります。
さらに、役割分担が明確になることで、作業の順番が整理され、チーム全体の生産性が向上します。
例えば、ECサイトの作成でUXの5段階モデルを採用した結果、全員が統一した戦略のもと役割分担を明確にすることができ、ユーザーが直感的に商品を購入できるデザインが実現されます。
このように、チームの中で合意形成を図ることが可能となり、プロジェクトの一貫性と生産性を高め、計画的な進行を実現できます。
(2)ミスや修正を最小限に抑えることができる
初期段階で明確なゴールを定義し、問題を事前に発見できるため、後の工程でのミスや修正を最小限に抑えることができます。
プロジェクトの途中で問題が発生すると、修正作業が増え、時間やコストのロスにつながるため、事前の計画が重要です。
例えば、戦略段階でユーザーのニーズをしっかり調査し、ペルソナなどを明確にしておけば、後になってデザインや機能を大幅に変更するリスクを防ぐことができます。
これにより、限られた時間内で効率的に作業を進められ、プロジェクトが成功に近づきます。
このように、初期段階で明確にゴールを定義することで、ミスや修正によるコストを抑え、プロジェクトをスムーズに進めることができます。
(3)チーム内のコミュニケーションを円滑にする
各段階ごとに異なる専門スキルを持つメンバーが関わるため、共通のフレームワークとして機能し、チーム全員が同じ目標を共有しやすくなります。
さらに、役割分担が明確になることで、スムーズな意思決定が可能になります。
例えば、情報設計の段階ではUXデザイナーとエンジニア、表層デザインの段階ではUIデザイナーとマーケティング担当者が密に連携する必要があります。
このように、チーム内の異なる役割のメンバー間での連携を強化し、スムーズなコミュニケーションと意思決定を促進できます。