ユーザビリティとは?向上させるべき理由とポイントを解説!

「ユーザビリティって何だろう?」
「『ユーザビリティ』はなぜ活用すべきなのだろう?」

近年、Webサイトやアプリの設計、さらには顧客満足度の高い商品やサービスの提供において、ユーザビリティ(Usability) の向上がますます重要視されています。

優れたユーザビリティは、ユーザーが迷わずスムーズに操作できる環境を提供し、満足度やコンバージョン率の向上につながります。

しかし、ユーザビリティの本質を理解せずに施策を進めてしまうと、かえって使いにくいデザインになったり、ユーザーの期待を裏切る結果となるリスクがあります。

そこでこの記事では、ユーザビリティの概要や、活用すべき理由とポイント を詳しく解説し、適切に向上させるためのアプローチについて紹介します。

1.ユーザビリティとは?

ユーザビリティ(Usability) とは、特にWebサイトやアプリ、デジタルツールにおいて、製品やサービスの「使いやすさ」や「操作性」を指します。

ユーザビリティとは単なる「便利さ」ではなく、ユーザー視点に立ち、最適な操作体験を設計すること が求められています。

また、ユーザビリティにはいくつかの定義があります。

ISO(国際標準化機構)の3要素

有効性:ユーザが指定された目標を達成する上での正確性と完全性
効率性:ユーザが目標を達成する際に、正確さと完全性に費やした資源
満足度:製品を使用する際の感情的な受け止め

JIS(日本産業規格)

「特定のユーザが特定の利用状況において、システム、製品又はサービスを利用する際に、効果、効率及び満足を伴って特定の目標を達成する度合い」

(1)アクセシビリティとの違い

度々、ユーザビリティはアクセシビリティと混同して捉えられることがありますが、2つには以下のような違いがあります。

ターゲット 重点
ユーザビリティ 平均的なユーザー 使い勝手、効率的かつ効果的に利用できるか 操作が簡単、エラーが少ない設計
アクセシビリティ 年齢や障がいの有無にかかわらず “全て”のユーザー ユーザーが利用する際の公平性 画面読み上げ機能、色覚障がい者にも配慮したカラー

アクセシビリティは「多様で幅広い」ユーザーを想定して、「公平性」を重視しているのに対して、ユーザビリティは「平均的な」ユーザーを想定して、「使いやすさ」を重視しています。

(2)ユーザビリティ5つの構成要素

ユーザビリティには、5つの構成要素があります。

  • Learnnability:学習しやすさ
  • Efficirncy:効率性
  • Memorability:記憶しやすさ
  • Errors:エラーの起きにくさ
  • Satisfaction:満足度

以上の5つの項目それぞれで高いレベルを満たしているほど、顧客などからの評価は高くなります。

2.なぜユーザビリティを向上させるべきなのか

なぜユーザビリティを向上させることが重要であると考えられているのか、3つの理由があります。

  • ユーザー満足度の向上
  • ビジネスにおける成果の向上
  • コスト削減の効率化

(1)ユーザー満足度の向上

ユーザビリティを向上させることで、ユーザーにとって使いやすく、ストレスフリーで目的を達成できる環境を提供できるため、満足度が向上します。

その結果、リピーターの獲得や長期的なユーザー維持につながり、サービスの継続的な成長を支える要素となります。

例えば、モバイルアプリの「Uber」は、リアルタイムでの配車状況の確認や支払いがスムーズに行えるため、ユーザーはストレスなくサービスを利用できます。

一方で、分かりにくいUIや複雑な操作が求められるサービスは、ユーザーの不満を生み、利用をやめてしまうことが多くなります。

このように、ユーザビリティの向上はユーザーの満足度を高め、サービスの継続利用を促進するため、欠かせない要素となります。

(2)ビジネスにおける成果の向上

ユーザビリティを向上させることで、エラーや離脱が減少し、コンバージョン率や売上の向上につながるため、ビジネス成果の向上に貢献します。

その結果、サイトやアプリの利用者が増え、購入などの最終的に成果に繋がりやすくなります。

例えば、ECサイトで購入プロセスが簡単でスムーズな場合、ユーザーは途中で離脱せずに購入を完了しやすくなります。

しかし、購入ボタンが分かりにくかったり、決済ページが複雑だったりすると、ユーザーは購入を諦めてしまい、コンバージョン率が低下し、売上に悪影響を及ぼします。

そのため、ユーザビリティの向上は、コンバージョン率の改善や売上向上に直結し、ビジネス成果を向上させる重要な要素となります。

(3)コスト削減の効率化

ユーザビリティの向上により、カスタマーサポートや問い合わせ対応の負担が軽減され、運用のコストを削減できるようになります。

また、事前に使いやすい設計を行うことで、エラーを減らし、修正コストをも抑えることができます。

例えば、「よくある質問」が充実し、操作しやすいサービスでは、ユーザーが自己解決できるため、カスタマーサポートへの問い合わせが減ります。

このようにユーザビリティの向上はユーザー満足度を高めるだけでなく、運用コストの削減にもつながるため、企業にとっても大きなメリットがあります。

3.ユーザビリティを向上させるポイント

ユーザビリティを向上させるうえでポイントが5つあります。

  • 直観的でシンプルなデザイン
  • 一貫性のあるインターフェース
  • 効率的な操作性
  • アクセシビリティへの配慮
  • ユーザーフィードバックと継続的な改善

(1)直感的でシンプルなデザイン

Webサイトやアプリをデザインする際、直感的でシンプルなデザインにすることでユーザーが迷わずに操作できることが重要です。

初めてのユーザーでも簡単に使える設計にすることで、ストレスを感じることなく目的を達成できます。

特にサイト内で迷ってしまうとすぐに離脱につながるため、必要な情報を適切に提供することが重要です。

具体的な対策

  • 必要最低限の情報のみを表示し、ユーザーが混乱しないようにする
  • 重要な項目を目立たせる(ボタンの色やフォントサイズ)
  • わかりやすいアイコンやボタンを使用し、視覚的に直感的な操作を可能にする

(2)一貫性のあるインターフェース

Webサイトやアプリ全体のデザインや操作感を統一することで、ユーザーの混乱を防ぎ、スムーズな操作を促すことができます。

サイト内でフォントや色、ボタンの形がバラバラだと、ユーザーはどこをクリックすればよいのか迷ってしまいます。

また、ページごとに異なる動作ルールがあると、操作に時間がかかり、使いづらいと感じてしまいます。

具体的な対策

  • サイト全体で同じフォントや色、スタイルを統一する
  • スクロールやボタンの動作を統一し、一貫性を持たせる
  • リンクの位置をすべてのページで統一する

(3)効率的な操作性

ユーザーが短時間で、できるだけ少ない手間で目的を達成できる設計にすることで、利便性が向上します。

特に、よく利用する機能は、できるだけシンプルな操作で実行できるようにしましょう。

具体的な対策

  • ワンクリックで完了する操作を増やす
  • 自動入力機能を活用し、入力の手間を省く
  • 予測候補を表示することで、作業の負担を軽減する

(4)アクセシビリティへの配慮

すべての人が公平に利用できるWebサイトやアプリにするため、障がいを持つユーザーにも配慮したデザインを取り入れることが大切です。

視覚や聴覚に障がいのある人など、多様なユーザーが快適に利用できるようにすることで、より多くの人にサービスを届けることができます。

具体的な対策

  • 画面読み上げ機能を設定
  • キーボード操作で全ての機能が利用できるようにする
  • 色覚障がい者にも見やすい配色を採用する

(5)ユーザーフィードバックと継続的な改善

ユーザビリティの向上には、ユーザーの意見を反映し、常にニーズに合ったデザインを目指して、継続的に改善を行うことが重要です。

ユーザーの行動データやフィードバックを分析し、実際にどこで困っているのかを把握することで、より良いデザインへと改善できます。

具体的な対策

  • アクセス解析ツールを活用し、ユーザーの行動をデータとして分析
  • ユーザーテストやアンケートを実施し、実際の意見を収集する
  • データをもとに問題点を特定し、改善策を実施する

 

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