ペルソナとは?ビジネスにおける重要性や設定する手順について徹底解
「ペルソナって何だろう?」
「ペルソナを設定するときどんなことに気を付ければいいのだろう?」
ペルソナを設定しターゲットのニーズや課題を深く理解することは、効果的なマーケティング戦略を練るうえで非常に大切です。
しかし、ペルソナをターゲットと混同してしまったり、ペルソナという言葉は聞いたことがあるけれどはっきりとした意味や役割は知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ペルソナとは何かやその重要性、設定する際の注意点やポイントなどについて詳しく解説します。
ペルソナについての知識を身に着け、マーケティングで活用できるようになりましょう。
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目次
1.ペルソナとは
マーケティングにおいてペルソナとは、自社の商品やサービスを利用する具体的なユーザー像のことを指します。
ペルソナと似た言葉にターゲットがありますが、ターゲットは実際に商品・サービスの利用を訴求する集団の属性を指すのに対し、ペルソナは年齢や性別、職業、性格などさらに細やかな設定まで行って作り込んだ一人の架空の顧客像を指します。
たとえば、ターゲットが「30代の女性」であれば、ペルソナは「大阪府在住でWebデザイナーに就いており、二児の母である35歳の女性」のように設定の細やかさが異なります。
関係性としては、ターゲットを具体的なものにし、詳細設定まで行った架空の人物像にしたものがペルソナだと認識しておくとよいでしょう。
2.ペルソナ設定の重要性
ユーザーが本当に求めている商品やサービスを開発し提供できるようになるためには、ペルソナ設定が必要不可欠です。
その理由として、近年消費者の価値観やライフスタイルが多様化してきて、ターゲットをより深く理解する必要が出てきたことが挙げられます。
ペルソナを設定してターゲット顧客が抱えるであろう課題やニーズを理解し、それをマーケティング戦略に反映することは、変化が激しい現代の市場において非常に重要となります。
また、Webサイト制作においてもペルソナ設定は重要であり、設定したペルソナがどのようなWebページを求めているかを嗜好や動向に合わせてページ設計を行うことで、より訴求力の高いWebデザインを設計できます。
このように、ビジネスにおいて効果的な戦略を立てるためにペルソナを設定することは極めて重要です。
3.ペルソナを設定するのメリット
ペルソナを設定することには以下のようなメリットがあります。
- イメージの認識を共有できる
- ユーザーニーズを明確に理解しやすくなる
1つずつ解説していきます。
(1)イメージの認識を共有できる
ペルソナを設定しておくことで、担当者の間で共通の顧客イメージができ、皆の認識を一致させることができます。
これにより個々の認識がずれるのを防いだり、勘違いによって起きる問題を防いだりできるほか、意見がまとまらないときもペルソナについて考え直せば、軸がぶれることなく意思決定することができます。
例えば、ターゲットの課題やニーズなどを担当者全員で理解していれば、それを基軸として戦略を練っていくことができるため、効率的かつスムーズに業務を進められることが期待できます。
(2)ユーザーニーズを明確に理解しやすくなる
細やかなペルソナを設定することにより、顧客の深層心理に迫りターゲット顧客が持つニーズにより近いニーズを把握することができます。
ペルソナがどのような行動をとるのかを考えてそれをもとに戦略立てを行うことで、効果的で精度の高いマーケティング戦略をたてることができます。
ユーザーニーズを理解しておくことで、ターゲット顧客に対してアプローチを行う際にどんな場面・どんな媒体で訴えるのが効果的かなどの細かな戦略も考えやすくなります。
4.ペルソナを設定する手順
ここではペルソナを設定し活用するためのステップについて説明します。
- 調査を行いデータを集める
- データをグルーピングする
- 具体的な人物像に落とし込む
- 定期的に設定を見直す
順番に解説していきます。
(1)調査を行いデータを集める
まずはじめに、ターゲットとなる顧客がどのような消費行動をとるのかやどのような心理を持っているかについてのデータを調査を通して集めます。
具体的な調査方法としては消費者へのヒアリングやアンケートなどがありますが、企業目線の憶測でペルソナを設定するのではなく、実際にターゲットとなり得る顧客の声を聞いておきそれをもとに考えることによって、客観的にペルソナを設定できるでしょう。
また、この際に自社の強みや競合他社と比較したときの立ち位置など自社に関する情報も整理しておくことで、ペルソナを設定したのちに立てる戦略で自社の強みをペルソナへのアプローチにどのように活かすことができるかを考えやすくなります。
(2)データをグルーピングする
データが集まったら得られた情報をグルーピングし、設定するペルソナ像の特徴を定めていきます。
この際、人口統計学的な属性であるデモグラフィック(年齢・性別・職業・所在地など)と、心理学的な属性であるサイコグラフィック(消費者の性格・感情、思考・ライフスタイルなど)の2つ分類してグルーピングすることで、ペルソナの特徴がはっきりと見えてきます。
中でもサイコグラフィックに注目することは、顧客の表面的なニーズだけではなく深層的な心理・欲求に迫ることができるため、ペルソナを設定するうえで特に重要な視点だといえます。
(3)具体的な人物像に落とし込む
グルーピングしたデータをもとに消費者がどのような行動をとるのかを分析し、ターゲットにまつわる情報を具体的な人物像に当てはめていきます。
具体的には、名前・年齢・性別・年収・職業・趣味・性格・将来の夢などのペルソナの構成要素を必要に応じて決めることで、一人の架空の顧客像を作り上げていきます。
例えば、中小企業のWebマーケティングを支援するサービスを提供する際にペルソナを設定したとすれば、集めたデータをもとにして以下のような要素で顧客像を作ることができます。
- 名前…田中博
- 年齢…38歳
- 性別…男性
- 年収…600万円
- 居住地…東京都
- 職業…精密機器製造メーカー(中小企業)の社長
- 家族構成…既婚者であり、同じ年齢の妻と13歳の息子と3人で生活している。
- 性格…温厚な性格。新しいものには疎い。
- 将来の展望…自社の規模を大きくしてより多くの取引先と連携し自社商材のシェアを拡大したい。
- 抱える課題…新規顧客の獲得が厳しい。業界に特化したWebマーケティングの知識がなく、どのように戦略を立てればよいかわからない。
- ニーズ…精密機器製造という業界に特化したWeb制作を行いたい。自社ホームページをリニューアルし、より自社の強みが伝わるものにしたい。
- 仕事に関連する情報…従業員との関係性は良好である。日々の業務内容としては、顧客や取引先との対応、経営管理、製造現場の監督などがある。
このように具体的かつ細やかなペルソナを設定できれば、顧客の課題を解決しどんなニーズにこたえないといけないかがはっきりとするため、どのようなマーケティング戦略を練るべきかが明確になります。
(4)定期的にペルソナ設定を見直す
ペルソナは一度設定したらそのまま放置するのではなく、変化する顧客ニーズや行動パターンに沿って改善していくことが大切です。
また、市場構造の変革などをきっかけとしてターゲットとなる顧客層自体が変化しりこともあり得るため、市場の動向をこまめに把握しそれに対応していくことも重要です。
5.ペルソナ設定の3つのポイント・注意点
ペルソナを設定する際には、以下のような注意点があります。
- データや情報をもとに設定する
- イメージ画像や写真を活用する
- 目的や課題に合わせて設定する
1つずつ解説していきます。
(1)データや情報をもとに設定する
ペルソナを設定する際には、理想や勝手な思い込みでペルソナを設定するのではなく、どのような人がどのくらいいるのかというようなデータを集計し、ファクトベースで人物像を設定することが大切です。
「きっと~だろう」という勝手な推測でペルソナを設定した場合、企業側の顧客に「こうあってほしい」という理想や願望が多少は含まれることが考えられ、そのような設定では実際のターゲットのニーズや課題の解決とずれが生じ、効果的な戦略を立てることにはつながりにくいからです。
よって、ペルソナ設定にはターゲットのリアルな声を反映したデータや情報が必要不可欠なものだといえます。
(2)イメージ画像や写真を活用する
ペルソナの構成要素を組み立て人物像を組み立てていく際、文面だけではペルソナのイメージにずれが出る可能性があるため、写真や画像を活用して正確にイメージの共有を行うとよいです。
イメージ画像を用いることによって、設定するペルソナの年齢や雰囲気などが一気に印象づけられ、社内で共通認識を抱くのに役立ちます。
(3)目的や課題に合わせて設定する
ペルソナはやみくもに設定するのではなく、目的や解決する課題に合わせて、必要な情報に絞って設定することが重要です。
例えば、BtoB向けの商材の販売促進という目的であれば、ペルソナにまつわる必要な情報はペルソナの所属する会社の経営状況や業務内容などとなります。
ペルソナを設定をする際に、どのような目標があるのかをはっきりさせておくことで、どのような要素が必要かがわかりやすくなり、効率的かつ効果的なペルソナ設定を行うことができます。